あなたにぴったりの牛乳は?

牛乳がわかるQ&A

牛乳のおいしさ

  • 3.牛乳の独特のおいしさは何?

    私たちは「おいしさ」を、味や舌触りだけでなく、見た目や音、香りなども含めた五感全体で感じています。
    牛乳のおいしさも例外ではなく、牛乳をグラスに注ぐ音、光沢感のある乳白色、なめらかな質感、アセトンなど複数の香気成分がかもし出す芳香に食欲をそそられる人は少なくないでしょう。牛乳独特のまろやかな口あたりは、たんぱく質と乳脂肪が微細なコロイド粒子となって分散することにより生まれます。
    舌に感じる牛乳の味は、乳糖のおだやかな甘味、塩類の持つわずかな塩味や苦味、わずかに含まれるクエン酸やリン酸のかすかな酸味がブレンドされて作り出されます。 牛乳の味を左右するのは、原料となる生乳の品質や成分です。特に乳脂肪は多いほどコクが増し、乳脂肪に含まれる遊離脂肪酸やカルボニル化合物によって、芳香もより強く感じます。
    また、加熱殺菌の方法によっても味は大きく変わります。加熱殺菌によって生じる風味成分を加熱臭といい、加熱時間が長いほど、また温度が高いほど、強くなる傾向があります。加熱臭はある程度までは好ましい香りや濃厚感を生じますが、強すぎると新鮮味を損ないます。ただ、加熱後、この加熱臭は時間が経つにつれて弱くなります。また加熱臭は、個人の好みによって味の評価が異なるものです。
  • 4.牧場で飲む牛乳は、なぜおいしく感じるの?

    牧場で飲む牛乳は、その牧場ならではの環境や、乳牛の品種、製法など、普段の生活で飲む牛乳とは異なる点があり、味わいもさまざまです。

    乳牛の品種が違う場合

    日本の乳牛は99%以上が白黒模様のホルスタイン種ですが、観光牧場などではホルスタインより小柄で茶色のジャージー種やガーンジー種、ブラウンスイス種などを飼育しているところがあります。これらの牛はホルスタイン種より乳量は少ないのですが、牛乳には乳脂肪分や無脂乳固形分が多く含まれ、濃厚な味わいになります。

    ノンホモ牛乳の場合

    市販されている牛乳のほとんどは、工場で均質化(ホモジナイズ)をされています。 均質機という機械で生乳に圧力をかけ、小さい穴を通すことにより、脂肪球やたんぱく質を細かくして成分を均一にし、消化吸収を良くしています。 一方、均質機を通していない牛乳をノンホモ牛乳といい、大きな脂肪球が浮いて、とろりとしたクリーム層を上部に作ります。最初の一口で、このクリーム層が口に入り濃厚に感じますが、その下の層の牛乳は乳脂肪分が低くなっています。

    環境が味覚に影響する場合

    おいしい空気、青空のもと、木々の緑に囲まれて、開放的な気分の中で飲む牛乳は、いつもより一層おいしく感じるはずです。のどが渇いていたらなおさらでしょう。 牧場で飲む牛乳は「搾りたてだから、違うのでは」と思っている人もいるかもしれません。しかし、牛乳は「乳等省令」という法律により、殺菌方法や細菌をはじめとするいろいろな検査が義務付けられています。検査結果が出るまでには時間がかかるため、牧場でも、搾ってすぐに飲むことはできません。

出典

社団法人 日本酪農乳業協会 牛乳・乳製品の知識